アガサクリスティーの作品は小説だけでなく短編集も戯曲も有名なのですが短編集にいたっては
15篇ほど(出版社により増減)もあります。その短編集の1つ1つに15本はお話がつまってる状態なので、紹介するのも一苦労なのです。自分にとってはうれしい悲鳴なのですが、一つ一つ大事に紹介していこうと思っています。
短編集
ポアロ登場
おしどり探偵
海から来た男(謎のクイン氏登場)
翼の折れた鳥(クイン氏)
火曜クラブ
死の猟犬
パーカー・パイン登場
死人の鏡
クリスマス・プティングの冒険
ヘルクレスの冒険
愛の探偵たち
黄色いアイリス
※この他に表題の無いクリスティー短編集は4編ほどある
(中には重複する内容あり)
細かい紹介はこれからじっくり今後のブログでやっていきたいのですが、まずはざっとネタバレなしの自分の偏見と趣味を交えた簡単な説明をしておきます
ポアロを手っ取り早く知りたいあなたにはもちろん『ポアロ登場』を読むのが良いでしょう。
しかし自分の好みでいうと、ポアロは長編の方が魅力的なので、これは逆に長編のポアロを知った後で読んだ方が
面白さが分かるかもしれない。あくまでも好みですが。
ポアロの魅力が分かる短編というならば、『ヘルクレスの冒険』『クリスマスプティングの冒険』の方がおすすめですね。
あくまでも個人的な好みですが。
ちなみに『クリスマスプティングの冒険』にはポアロだけでなく何故か1本だけミスマープル物が入っています。
どうしてかは分からないけど、ちょっとしたおまけというか、プレゼントみたいなものかもしれません。
『愛の探偵たち』はポアロ、ミスマープル、クイン氏、そのような有名な探偵が登場しないもの、の短編が集まったもので、まさに『愛』がテーマのものが集まったロマンチックな短編集です。有名なのは戯曲『ねずみとり』の原案『三匹の盲ネズミ』が収められている事。これは別の機会にまたじっくりと。
推理物としてもいいのですが、ちょっとした不思議な愛の小説の短編集と言えます。この短編の中で自分が特に惹かれるものとしては『四階の部屋』これはポアロの出てくる話ですが、ちょっとへんてこりんな話です。年の離れた若者とポアロおじさんとの関わる話。コメディーでは?と思うような展開ですが、結局は愛の物語といえるんでしょうね。とにかくユニークな印象のお話です。(個人的感想)
『火曜クラブ』はミスマープルもの。安楽椅子探偵ものの代表です。ただのおしゃべり好きのおばあさんだとミスマープルのことをみんなが軽んじてるのですが、ずっと座って話を聞いていたミスマープルが事件をいとも簡単に解いていくところが小気味いい物語。安楽椅子探偵とはいうものの、のちに短編ではないけれど、アガサクリスティーは『復讐の女神』という長編では、ミスマープルに冒険をさせています。(その話はまた『復讐の女神』のときに)
『パーカー・パイン登場』は実にユーモアが詰まった話です。あなたは幸福ですか?そうでなかったら、パーカー・パインに相談を!という頼もしい新聞広告を出しているところからして、すでに怪しいのですが、これがまた鮮やかに問題を解決し、みんなを笑顔にして終わるのですからやられた!と思います。今日のところはこの辺にしときましょう。紹介してるうちに自分もまた読みたくなってくるから不思議です!